考えよう!練馬の環境と大根のこと

1~11話まで読んでくれたかな? ホント、1本の大根にもドラマがあるよね! 4500年前にエジプトでつくられていたっていうのもビックリなら、江戸時代に人のうんちでおいしい大根をつくっていたっていうのも、いまじゃ信じられないよね(くさそうだもん)。

 でも、考えてみてよ。おいしい大根を食べて、うんちをして、そのうんちがもっとおいしい大根の肥料になるってすごい発明だと思わない? もちろん江戸のお武家さんや町人は大根のほかにも、江戸湾でとれた魚や貝も食べていたから、その栄養がうんちに含まれて、下肥になって畑まで運ばれていたんだね。さらに、雑木林から集めてきた落ち葉もまぜて肥料をつくったから、いい土ができて、おいしい大根が育というわけ。


「江戸はゴミのない世界一美しい町だった」(あらかわ学会著『みんなの荒川』より)

 土の栄養分は、大根をおいしくするだけじゃないよ。雨が降って、雨水が地面にすいこまれると落ち葉をくさらせるんだけど、そのときに水の中にはミネラル(栄養となる化学物質)が溶けだして、あまった肥料も一緒にして川に流れ込むんだ。

 川の水は、いずれ海に流れていくよね。土のなかの栄養分と一緒に、河口まで砂や土も海に運ぶから、そこに浅瀬(あさせ)ができる。これが「干潟(ひがた)」。

 干潟には、たくさんの微生物がいて、それを食べる虫や貝もいて、みんなで土のなかの有機物を分解しながら生きているんだ。その有機物はまた、微生物や貝、虫、魚が食べて大きくなって、それを人間が食べる。食べたら誰でもうんちが出るんだけど、江戸時代には、それがまた下肥として肥料になり、おいしい野菜をつくるのに役立っていたんだ。


「『まわってめぐって』いる水」(あらかわ学会著『みんなの荒川』より)

 こんなふうに、いろんなものがつながって、ぐるぐるぐるぐるまわっていることを「物質循環(ぶっしつじゅんかん)」って言うんだよ。江戸時代の農民は、この物質循環をうまくつかって野菜をつくり、町もきれいにして、おいしい魚まで育てていた、ということになるんだ。あったまいい!
 いま、物質循環ってしてるのかな? キミのうんちはトイレから流されて、どこかに行っちゃうんだろうね? 調べてみよう!


「土地や土の性質を生かした農業」(あらかわ学会著『みんなの荒川』より)